2010年4月30日金曜日

サイエンスライター

サイエンスライター。

最近良く耳にするようになりましたが、以前は全く聞き慣れない言葉でした。今や、googleで検索すると、38万件もの項目がヒットします。ただ、具体的にどんな人がサイエンスライターとして活躍していて、どんな生活を送っているのか、私は、全く知りませんでした。

先週の土曜日、大阪中之島で開催された科学者維新塾で、サイエンスライターとして活躍されている渡邊政隆さんと、「理系博士をとってサイエンスライターになる」というテーマについて、ディスカッションしました。講義には、24名の科新塾塾生、河田聡先生、謝林さんが参加されました。私は、講義の司会を務めさせて頂きました。渡辺さんには、講義の中で、日本におけるサイエンスライターの現状、サイエンスライターにを志す上で意識しておくとよいこと、知っておくとよいことを丁寧にお話し頂きました。

渡邊さんのお話を聞いて分かったことは、非専門家対象とするサイエンスライティング―科学に関する一般書を自著・翻訳する―の分野において、日本が欧米諸国に比べて遅れている、ということです。日本でサイエンスライターと呼ばれている人の中で、サイエンスライターだけで飯を食っていける人は、竹内薫、福岡伸一、立花隆(サイエンスライターというより、評論家であるが)位だそうです。また、サイエンスライターと名乗ると仕事が減るので、ノンフィクションライターと名乗る人も多い、というのが現状だそうです。

最近では、「チームバチスタの栄光」「容疑者Xの献身」「博士が愛した数式」など、科学に関する高い専門性を取り入れた小説、映画がヒットしています。このような流れは、サイエンスライティングの分野にとって、追い風になると期待しています。特に、邦画のブームが近年続いていますので、理科・科学がらみの映画がヒットすることで、大きな追い風の効果があると思います。これらとあわせて、今後、社会のサイエンスリテラシーの向上、サイエンスライティング分野の編集者の多様化―文系出身者だけでなく、理系(博士)出身者も、編集者として、サイエンスライティング分野の企画立案を行う―が起きていけば、サイエンスライティングが、良い方向へ発展していくように思います。

ちなみに、私のように、科学に関するブログを書く人も、広い意味では、サイエンスライターの定義に入るようです。良いサイエンスライティングができるように精進していきたいと思います。そのうち、短編の小説でも書ければ。。。

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