2010年8月16日月曜日

光照射による心拍動リズムの調整

昨日、光照射による心拍動リズムの調整、に関する論文が、Nature Photonicsという学術雑誌に発表されました。ウズラの胎児の心臓部位に直接、赤外線を周期的に照射して、心臓の拍動リズムを赤外線照射のリズムに置き換える、というものです。Case Western Reserve大学のMichael Jenkins博士らの研究結果です。

http://www.nature.com/nphoton/journal/vaop/ncurrent/abs/nphoton.2010.166.html

実験結果を示す動画もあります。
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2010/08/lasers-set-hearts-aflutter.html

2008年に、私は、似たような研究をして、論文を発表しています。私の研究では、ラット新生児の培養心筋細胞に、近赤外の強いレーザーパルスを周期的に照射して、心筋細胞拍動のリズムを光照射のリズムに置き換えていました。私の研究は、世界で初めての光ペースメーカーとして、主に欧米のメディアで取り上げられ、注目を集めました。

今回発表された論文は、細かいことを抜きにして、同じ内容の論文と言っても、問題はないのですが、今回発表された論文に関して、2点ほど、非常に興味深いところがあります。

まず、ひとつは、今回発表された研究では、生きた生体内の心臓に、直接光を当てて、拍動を制御している点です。私の研究では、培養した細胞を用いていました。照射する光のエネルギーが、彼らの研究ではより小さいので、生きた生体に損傷を与えずに、心拍動を制御できる
、といったところです。

二つ目は、今回の研究が、生物・医学系の研究らによって、実現されたことです。この研究は、5つの研究室の共同研究みたいですが、部署は、生体医工学(が2つ)、生物学、薬理学、小児科学です。私は、2年前に研究していた時から、自分たちの技術をより発展させるには、生物学、医学の専門家の人たちの力が必要、だと感じていました。その点、今回の研究が、生物、医学系のチームによって実現されたのは、私にとってうれしい限りです。

今後、医学、生物学の方面で、光ペースメーカーの技術が発展して行けば、嬉しいです。ちなみに、以前ブログにちょっと書きましたが、年末頃に出版される書籍に、光ペースメーカーに関する章を書いています。英語ですが、今回の論文の発表を追い風に、多くの方々に読んで頂ければ良いと思います。

2010年8月6日金曜日

一ケ月ぶりに...

最近、全くブログの更新をしておりませんでした。

このところ、ネタが無かったのも事実*ですが、博士論文の追い込みやらで、実験実験実験...執筆執筆執筆...、先月原稿を書いていた本の訂正やらで、執筆執筆執筆...検索検索検索...という生活を続けていました。今書いているのも、実験の測定の合い間です。さっきまで、実験をしつつ、博士論文を書いておりました。私の研究分野の背景の原稿をやっと書きおえたところです。

と、こんな生活ばかり送っていると、体がなまってしょうがないので、今月から駅前のジムに通っています(通っているといっても、まだ一回しか行ってませんが (>_<)...)。大阪にいた時にも、筋力アップを目的にジムに通っていましたが、今回は、健康維持と気分転換とが目的です。

忙しい政治家、会社経営者でも、週2、3日も、ジムに通っていると言う話をたまに聞きます。ぱっと思い浮かぶのは、民主党国会議員の岡田克也氏、吹田市議会議員の神谷宗幣氏くらいですが、もっと多くいるはずです。自分よりも忙しい人たちでも、定期的にジムに通っているという話を聞くと、闘争心が出ます。ジムは、一人で通えるので、続けるも続けないも自分次第です。忙しいとつい、それを理由にジム通いを断念してしまいそうですが、目的があって、高いお金(少なくとも大学院生の私にとっては)を払ってジム通いを始めたわけですから、簡単にやめるわけには行きません。些細なことでも、目的をちゃんと意識して生活することは、ジム通いに限らず、人生においても大事なことだと思います(ブログも更新もそうですが。。。)。

今日は実験が終わらなずジムに行けなかったので、明日は、しっかり、汗を流してきたいと思います。その前に、今日の実験を終わらせなくては。。。

*参議院選挙、科学者維新塾、研究室のサマースクールなどなど、ネタが無かったのはうそです。ただ、これらについて書き出すと、とんでも無く時間がかかるので、敢えて避けてきました。また近いうちに、ネタが困ったら書きたいと思います。

ラベル別一覧